知っておこう、ペイオフ制度

ペイオフ制度が必要な理由

「銀行は、人々が銀行を利用している限り潰れない」というのは、事実でもあり、間違いでもあります。

銀行というのは、ATMや窓口で発生する取引手数料以外に、「会社が資金繰りの一環として銀行からお金を借りる」や、「マイホームを買う際に銀行からお金を借りる」際に発生する利子などが、銀行の利益になります。また、銀行はこれだけではなく、銀行の利用者が普通預金や定期預金などとして銀行に預け入れてくれたお金を資金として、金融投資を行うことによって発生した利益も、銀行の会社としての利益になります。

一見とても効率がいい儲け方に見えるかもしれませんが、これには、経済という、予測不可能な要因が影響してくる場合があります。一番身近な消費税を例にとって考えてみましょう。例えば、消費税が増税になったとします。この消費税増税が経済に及ぼす影響というのを単純に表すと、「消費税増税→(消費者にとっては)物が高くなる→物を買わなくなる→倒産する会社が多くなる→失業者が増える→社会に循環するお金が少なくなる→景気が悪くなる」というようになります。つまり、景気が悪くなると、銀行からローンを借りる人が少なくなる、逆に貸す側の銀行は返済の見通しがつかない人には貸したくないですから、貸さなくなるということが起こります。

さらに、景気が悪いということは、銀行に預けられたお金を資金として投資する金融市場の状態も良くないということですから、銀行が投資に失敗すると、儲けるどころか、損が発生してしまうこともあります。そうなってしまうと、結果的に、銀行にお金を預け入れていた人は、財産を失うことになってしまいます。

銀行というのは、言ってみれば信用によってビジネスをしているので、その信用をより確固たるものにするためにも、また、時にはある銀行の破綻によって、銀行業界全体の信用が失墜するのを避けるためにも講じられたものが、ペイオフ制度です。